研究成果

出張調査報告

 

 

出張日程 平成16年12月19日〜12月23日 (5日間)
出張先 京都市伏見区
東丸神社
出張者

根岸茂夫  (國學院大學・文学部・教授)
青木周平  (國學院大學・文学部・教授)
松本久史  (國學院大學・日本文化研究所・助手)
城崎陽子  (國學院大學・文学部・兼任講師)
中村正明  (國學院大學・文学部・兼任講師)
吉岡孝    (國學院大學・文学部・兼任講師)
宮部香織  (國學院大學・日本文化研究所・調査員)
和田奈穂隆(八王子高等学校・非常勤講師)
竹宮鉄平  (埼玉県立文書館・雇用職員)
清水正彦  (國學院大學・特別研究生)
相澤京子  (國學院大學・大学院)
岩原真代  (國學院大學・大学院)
種村威史  (國學院大學・大学院)
舟木勇治  (國學院大學・大学院)
渡邊卓   (國學院大學・大学院)
早乙女牧人(東海大学・大学院)

調査の内容と研究との関連について  荷田春満の生家である羽倉家〈伏見稲荷社御殿預〉の史料を、前回に引続き、整理を行い、原則として1点ずつ中性紙の袋に収納した上目録をとり、約5700点の整理を一応完了した。また、整理した史料を桐箱に収納して、その保存措置を講じた。
 今後、見直しの上目録を訂正しながら、内容を整備し完全なものにしていく予定である。同時に、荷田春満の著作に関する基礎調査を実施し、日本書紀・万葉集・律令関係の著作について自筆草稿本・写本、講義録の写本などを中心に検討を加えた。
 従来刊行されていた著作の欠損部分を、自筆草稿の中から見出すなどの成果があがった。今後、さらに史料学的な検討を加えながら、春満の学問や思想の特徴に迫っていくつもりである。


 桐箱に収納                       書誌採集

 

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出張日程 平成16年10月29日〜10月30日 (2日間)
出張先 静岡県浜松市
縣居神社 浜松市立中央図書館
出張者

松本久史  (國學院大學・日本文化研究所・助手)

調査の内容と研究との関連について  前回(平成16年10月17日〜18日)に行われた縣居神社縣居文庫本資料調査の補充調査を行った。内容としては書誌データの再確認、前回撮影の写真データと原本の照合・確認等である。また、関連する岡部家関係文書や、縣居文庫目録(戦災以前のもの)など、縣居神社所蔵資料の一部を閲覧することが出来た。たとえば、真淵の子孫の「親類書」等、国学研究上貴重な資料が存在することを確認した。 
 また、浜松市立中央図書館にも赴き、郷土資料の調査を行った。春満門人である杉浦国頭、柳瀬方熟関係の論文『遠江』誌の複写を行った。又、遠江関係の文書目録等も調査し、春満と直接関係する資料を発見することは出来なかったが、高須元尚の資料が新居町教育委員会に所蔵されていることを確認した。
 縣居神社に残されている岡部家関係文書は未だ未整理の段階であり、書誌等を取るまでには至らなかった。しかし、国学のみではなく、皇典講究所および本学に関係した岡部譲の資料など、近代の文書も存在することがわかったように、今後の研究につながる調査であった。

 

 

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出張日程 平成16年10月17日〜10月18日 (2日間)
出張先 静岡県浜松市
縣居神社
出張者

青木周平  (國學院大學・文学部・教授)
松本久史  (國學院大學・日本文化研究所・助手)
渡邊卓   (國學院大學・大学院)

調査の内容と研究との関連について  今回の出張において、静岡県浜松市縣居神社縣居文庫に所蔵される春満関係の写本の調査を行った。縣居文庫は、春満の門人でもある賀茂真淵の本家である岡部家の蔵書および稲荷社宮司等も歴任した岡部譲の蔵書等から構成されているが、戦災によって失われた蔵書もあり、春満の神代巻解釈の聞書きや歌謡関係の写本も失われた本のある由(当日、三浦寛宮司からの聞取)である。幸い現存する春満関係写本としては「日本紀歌箚紀」、「尽敬会講談」、「箚記」「日本紀箚記」、「大祓和解」がある。
 これらはすべて未刊行の写本であり、調査のためには当社において実見するほかに方法がない。今回の調査はそれらを実見し、「日本紀歌箚記」に関しては、春満の晩年の歌謡説を知る資料として貴重であり、天理大学に所蔵された「日本書記歌口解」との比較が必要であると判断されたため、書誌データを採集し、詳細に実見して調査を行った。その結果、天理本との比較を含め、春満晩年の歌謡説また、神道解釈上の歌謡の役割等、学術的価値の高い本であることが確認されたため、写真データとして記録を行った。
 今回は文学、神道という異なった専門分野の立場から相互に補完して一つの対象の学術的な価値を判断することができ、より精確な調査が遂行されたという印象を持った。


書誌採集

 

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出張日程 平成16年8月5日〜8月8日 (4日間)
出張先 高知県高知市
高知県立図書館
出張者

城崎陽子  (國學院大學・文学部・兼任講師)
舟木勇治  (國學院大學・大学院)
渡邊卓   (國學院大學・大学院)

調査の内容と研究との関連について  今度の調査は、先回、平成15年12月19日〜平成15年12月21日にかけて行われた高知県立図書館所蔵谷家史料調査の継続調査である。
 近世国学の展開相として、荷田春満から続く荷田家の家学が地方の国学者にどのように教授され、展開したかという視点から、土佐国学の中心的位置を占めていた谷一族の史料を調査した。
 調査の対象は、「萬葉代匠記」、「萬葉集古義」、「祝詞式和解」一巻〜四巻、「職原抄」、「法曹至要鈔」上・中・下巻、「職原抄考證筆記」の六点である。先の三点については、先回からの継続調査であり、今回は各冊の書誌をとった。次の三点は、今回新たに調査した史料であり、特に「法曹至要鈔」については、下巻末に「羽倉東之進荷田在満兄恵示」の一文が記されており、これを謄写した垣守と、荷田在満との交流の様相がうかがえた。
 調査は、史料の撮影等も順調に進み、おおむね終了したが、収集された史料の検討にあたっては、以後補充調査が必要となるであろう。
 計三回の調査によって、高知県立図書館所蔵の谷家史料調査は、書誌および撮影等の基礎的な部分を終えることができた。今後は、収集された史料の検討に入ることとなるが、近世国学の祖とされる荷田春満からの流れをくむだけでなく、様々な影響関係の中で醸成されていった土佐国学の展開相を明らかにする必要性があることを痛感した。


史料撮影      書誌採集

 

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出張日程 平成16年7月25日〜7月30日 (6日間)
出張先 京都市伏見区
東丸神社
出張者

根岸茂夫  (國學院大學・文学部・教授)
青木周平  (國學院大學・文学部・教授)
松本久史  (國學院大學・日本文化研究所・助手)
城崎陽子  (國學院大學・文学部・兼任講師)
中村正明  (國學院大學・文学部・兼任講師)
吉岡孝    (國學院大學・文学部・兼任講師)
石岡康子  (埼玉県庄和町史調査員)
和田奈穂隆(八王子高等学校・非常勤講師)
谷川愛   (東京大学総合研究博物館・雇用職員)
清水正彦  (國學院大學・特別研究生)
舟木勇治  (國學院大學・大学院)
渡邊卓   (國學院大學・大学院)

調査の内容と研究との関連について  前回までの調査に引続き、東丸神社所蔵の羽倉家文書を整理し、一点ずつ中性紙封筒に詰め、目録をとった。今回整理した史料の中には、稲荷社を勧請した各地の家などが崇敬と祭祀の継続を誓った「稲荷安鎮証文」、羽倉家の代々に授けられた「口宣案」、「位記」、「綸旨」、「神祇伯下知状」などが多く、これらから春満の周囲の人々の官位の昇進時期なども判明した。
 羽倉家文書のうち、「日本書紀」、「万葉集」なども調査し、「日本書紀箚記」が春満の弟で羽倉家を相続した信名の筆によることが判明した。また春満宛書簡を調査し、判読した。今回新たに整理した資料は四百点余であったが、羽倉家文書の重要性を改めて確認できた。
 調査の過程で、東丸神社松村宮司御夫妻に多大なる御高配を賜ったことに感謝する次第である。

 

 

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出張日程 平成16年2月11日〜2月15日 (5日間)
出張先 京都市伏見区
東丸神社
出張者

根岸茂夫 (國學院大學・文学部・教授)
石岡康子 (元埼玉県立文書館雇用職員)
清水正彦 (國學院大學・特別研究生)

調査の内容と研究との関連について 以前までに調査を終了した東丸神社所蔵の羽倉家文書約2000点を原文書にあたって再点検・確認し、文書目録を訂正して整備した。また荷田春満の『日本書紀』に関する著作や講義を弟子が記録した『箚記』『聞書』の類を原典にあたって調査し、春満の国学の基礎的史料を検討した。今後この成果を基礎に、次年度にも調査を継続し、史料学的研究を進めていく。


原文書確認作業

 

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出張日程 平成15年12月19日〜12月21日 (3日間)
出張先 高知県高知市
高知県立図書館 山内文庫
出張者

城崎陽子 (國學院大學・文学部・兼任講師)
舟木勇治 (國學院大學・大学院)

調査の内容と研究との関連について  先回、平成15年8月4日〜8月6日にかけて行われた高知県立図書館所蔵谷家史料調査の継続調査を行った。
 近世期において土佐国学の中心的位地を占めていた谷一族の位置づけについては既に報告済みではあるが、今回の調査も荷田春満から続く荷田家の家学が地方の国学者にどのように享受され、展開したかという視点から調査が行われた。
 調査対象は『祝詞式解』『神道本論』『神代巻速別草』『万葉代匠記』『萬葉集古義』の六点であった。中でも、『万葉代匠記』の谷真潮による書き込みの検討、『萬葉集古義』の別本と正本との校合作業、さらには、およそ3,000カットに及ぶ撮影等充実した調査を行うことができた。今回取得された史料調査の成果や写真は順次土佐国学の位置づけや国学の地方的展開過程を明らかにしてゆく中で活用される。ただし、時間的制約もあり、全ての史料について撮影が終了できなかったことから、再度の調査が課題として残された。


史料撮影

 

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出張日程 平成15年10月30日〜11月4日 (6日間)
出張先 京都府京都市伏見区

東丸神社

出張者

根岸茂夫 (國學院大學・文学部・教授)
青木周平 (國學院大學・文学部・教授)
西岡和彦 (國學院大學・神道文化学部・講師)
古相正美 (中村学園大学・家政学部・助教授)
中村啓信 (國學院大學・文学部・名誉教授)
城崎陽子 (國學院大學・文学部・兼任講師)
松本久史 (國學院大學・日本文化研究所・助手)
中村正明 (國學院大學・文学部・兼任講師)
吉岡孝 (國學院大學・文学部・兼任講師)
谷川愛 (東京大学総合研究博物館・雇用職員)
荒張智之 (神社本庁・雇用職員)
石岡康子 (元埼玉県立文書館・雇用職員)
実松昌子 (歴史研究家)
相澤京子 (國學院大學大学院)
岩原真代 (國學院大學大学院)
清水正彦 (國學院大學大学院)
竹宮鉄平 (國學院大學大学院)
舟木勇治 (國學院大學大学院)
渡邉卓 (國學院大學大学院)
早乙女牧人 (東海大学大学院)

調査の内容と研究との関連について  東丸神社所蔵の旧伏見稲荷社御殿預東羽倉家(荷田春満の生家)文書を調査し、新たに約1200点の史料を整理した。かつ、虫損・欠損の甚だしい史料を裏打ちするなどの保存措置を講じた。さらに現存する荷田春満関係史料を検討し、写真撮影・筆写・ 目録作成などの作業を行った。
 現地における作業の結果、従来の調査とあわせ東羽倉文書の大半を整理することができたが、稲荷社家関係史料・近代の写本など一部は整理に至らなかった。一方、春満の著作のうち「日本書紀」関係史料を検討してその概要を把握することができ、以後この方面の研究の進展に資する成果が得られた。
 なお、東丸神社宮司松村準二氏ご夫妻に、多大な御協力を賜った。


  東丸神社      目録作成(1)    目録作成(2)    目録作成(3)


史料整理      史料撮影        修補        作業全景

 

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出張日程 平成15年8月4日〜8月6日 (3日間)
出張先 高知県高知市
高知県立図書館 山内文庫
出張者

青木周平 (國學院大學・文学部・教授)
城崎陽子 (國學院大學・文学部・兼任講師)
岩原真代 (國學院大學・大学院)

調査の内容と研究との関連について  近世期において土佐藩の儒学の基を築き、国学の中心的位置を占めていたのが代々岡豊八幡宮神職にあった谷一族である。特に秦山〜垣守〜真潮の人脈は、江戸の山崎闇斎や賀茂真淵など、当代一の儒学者や国学者に連なるものである。
 本調査では、荷田春満から荷田家の家学が地方の国学者にどのように享受され、展開したかという観点から高知県立図書館に残る谷家の古写本を中心に調査した。調査対象は『羽倉齋翁谷千鳥式部書』『祝詞式和解』『日本書紀荷田抄』『令義解書入本』『類聚国史残巻』『萬葉集古義』の六点であったが、中でも特に『祝詞式和解』や『萬葉集古義』に、地方における国学の展開過程をうかがうことができた。近世期における土佐国学の位置づけや国学の地方的展開過程を明らかにしてゆくうえで、非常に重要な史料であるといえるだろう。

 

 

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出張日程 平成15年8月4日〜8月7日 (4日間)
出張先 静岡県浜松市

浜松市立中央図書館、縣居神社、
浜松市立賀茂真淵記念館

出張者

松本久史 (國學院大學・日本文化研究所・助手)
舟木勇治 (國學院大學・大学院)
渡邉卓 (國學院大學・大学院)

調査の内容と研究との関連について  荷田春満の学問を研究するに際して、春満自身のみならずその門流に与えた影響を考察することは非常に重要であるといえる。
 本調査は、主要な門人である浜松諏訪社大祝、杉浦国頭・国満父子関係の史料を中心に実見することを目的とした。浜松市立中央図書館(4日)では春満と国頭の作成した祝詞、 縣居神社(5・7日)では国満の日本書紀講義書及び春満の日本書紀歌謡注釈書、賀茂真淵記念館(6日)では国満及び朋理(国頭男、夭折)の日本書紀講義書や杉浦家関係の神道裁許状等の文書を実見して書誌データを収集した。結果として、これらの史料が春満の国学説が地域でどのように受容されていったのかを研究するために必須のものであることが確認された。
 


縣居神社                賀茂真淵記念館


 

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