はじめに

研究代表挨拶


 荷田春満(1669−1736)は国学四大人の最初に数えられていますが、他の三人に比べその研究は少なく、数度にわたって企画された全集も完成していません。そのような状況のなかで、あらためて荷田春満を検討し、近世の国学の研究をさらに進めたいと、文学・歴史学・神道学など多様な分野の研究者が集まって、研究会を作りました。
  私たちは、春満の生家の資料を所蔵しておられる京都市の東丸神社の御理解と御協力により、生家の東羽倉家 の資料の整理・調査に着手しています。資料のなかには春満の自筆の草稿や書状など貴重な文献が多く、その学統にかかわる多数の書物などが現存していました。また東羽倉家が山城国伏見稲荷社の御殿預りという社家であることから、近世を中心に神社関係資料も膨大にあり、それらは春満の業績や行動を理解する上でも重要なものです。
 さいわい文部科学省の平成15年度科学研究費補助金の交付をうけ、現在、膨大な史料の整理と調査を続けながら研究会を開いており、研究の基盤作りに当たっております。その成果の一部を、順次ホームページで公開いたしたく存じます。
 なお、この研究について伏見稲荷大社・国立国会図書館・宮内庁書陵部などをはじめとする諸機関、および國學院大學から温かい御支援をいただきましたことを深謝いたします。

根岸茂夫 國學院大學文学部・教授・博士(歴史学)


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